ヒーター編 | 日本電熱 採用サイト

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ゼロからつくるヒーター工場見学

長野県安曇野市で熱に関するさまざまな製品を展開している日本電熱。工場ではどんなものがつくられているのでしょう。就職活動中の女子大学生・デン子ちゃんが工場見学に訪れました。

女子大学生・デン子ちゃん
長野県松本市出身。都内の大学に進学したものの、就職は地元企業を希望。休日の過ごし方は女子の趣味のテッパン・カフェ巡り。

ヒーター編

まずは当社の主力のひとつ、シーズヒーターをご紹介します。
シーズヒーターはコイル状の発熱線を金属パイプの中央に入れ、漏電を防ぐために絶縁材としてパイプの隙間にマグネシアという白い酸化マングネシウムの粉を充填した棒状のヒーターです。曲げることでいろいろな形にしています。
パイプの中のコイルは、パイプのど真ん中の位置からずれると漏電してしまいます。そこで私たちは充填機(バイブレーション)を使って中心にコイルを置いて規定量の粉を充填します。更にロールで絞りながら酸化マグネシウムの粉をかちんかちんに固めて、信頼性の高いヒーターをつくっています。そうしないと中でオーバーヒートしてしまいます。見た目が同じでもヒーターには良し悪しがあるんですよ。私たちのシーズヒーターは耐久性、信頼性が売りで、この充填の工程に当社のこだわりが詰まっています。
それに、私たちはたった1個の機械をつくる仕事も多いので、自動機のプログラムをつくるより手作業のほうが早い事も良くあります。
こちらは医療関係のヒーター。材料の溝にシーズヒーターがドンピシャにはまらないといけないのですが、自動機だとどうしてもずれてしまうので、手作業で曲げる職人の技が必要なんです。彼らは1分の1スケールの設図通りに片側からシーズヒーターを曲げていって、そのノウハウは直接設計図に書き込みます。設計図にノウハウが詰まっているので、次に依頼が来た時も効率的につくることができ、後輩にも伝えられます。設計図は当社の財産です。
シーズヒーターは金属の端子に電気を流すと中のコイルが発熱して真っ赤になりますが、パイプとコイルが定量的に絶縁されるので表面には絶対に電気は通らず漏電しませんし、水につけても安全です。
なおかつニクロム線(電熱線)を空気中で通電すると通常は酸化してボロボロになりますが、パイプの中に入っているニクロム線は耐久性が高く長持ちするのも特徴です。ヒーターって法則はすごく単純なので、つくること自体はそれほど大変ではないんですよ。でも、パイプの真ん中にコイルがあるか、酸化マグネシウムの粉が規定の密度か、どんな線を使ってるいるかで耐久性が変わるんです。
なお、量産品ではないヒーターをつくる場合は、コイルも手巻きです。案外アナログだと思うでしょうが、きれいに巻いていくのは難しく、職人の方たちは誇りをもって仕事に取り組んでいます。
それに、たった1個のヒーターをつくる仕事にいちいち試作はしていられないので、作業工程の途中途中で検査をします。こういうノウハウを使って1個でも間違いのないつくり方ができるのが当社の強みです。
ちなみにシーズヒーターは、当社の創業者の有田耕政がアメリカから技術を持ってきて、日本で初めてつくったものです。アメリカでは「チューブラヒーター」とよばれていますが、有田は鞘(シース)の中にヒーターを入れたので「シーズヒーター」と名付けました。それが今は全国で使われています。
我々はどんなヒーターも扱いますが、耐久性、信頼性が高くノウハウもたくさんあるので、もっとも多く生産されているのがこのシーズヒーターです。
こちらはアルミの塊の中にシーズヒーターを入れたアルミ鋳込みヒーターの透析装置です。内蔵されたシーズヒーターで透析液を36.5度に温めます。
透析は透析液へフィルターを使って血液から悪いものを除去し、きれいな血液を体内に戻すシステムですが、透析液が冷たいと体内に戻る血液が冷えてショックが起こるので、血液を体温と同じ温度で戻す必要があります。この商品は大昔からつくっていますが、リーマンショックの経営危機の時にも、この機械だけは爆発的に売れていました。というのも、新興国が飽食の時代になり、透析患者が増えたからなんです。いまだに増加していて需要が高い商品です。
透析メーカーは日本にたくさんありますが、皆さんに使ってもらっています。
このチタンのヒーターは海水を温めるものです。東日本大震災の際に水族館などでは水槽が割れた所がありました、その後、電気が復旧して、水槽が割れて水が無い状態で通電したところ、火災が起こりました。そこで、このチタンのヒーターには温度センサーが入っていて、異常が発生したら止まるようになっています。大きな水槽がある飲食店などでも使ってもらっているかもしれませんね。
そっか。地震の二次災害の対策も考えているんだ。
シーズヒーターのほかにカートリッジヒーターというものもつくっていますよ。シーズヒーターは両側からターミナルが出ていますが、カートリッジヒーターは片側だけターミナルが出ているので、金型に穴を開けて差し込むだけで金型の温度を上げたりと、低コストでつくれます。そのカートリッジヒーターにサーモスイッチや温度ヒューズを組み込んだりと、特別な技術があるのでお客様に喜ばれています。
これもカートリッジヒーターの中身です。私たちは身の回りに関わるものを作っていますが、これは私には縁がありませんね。100万円の束の帯を付けるヒーターなんですよ。定期的にご注文いただいています。
定期的...!
ちょっとおもしろい「選択酸化炉(せんたくさんかろ)」という設備もご紹介しましょう。これは加工した金属を高温で暖めて組織をなじませるもの。炉内に特別なガスを充満し、選択的に酸化がコントロールできるんです。
ちなみに、チタンの焼け色はきれいなブルーになりますし、ステンレスは選択酸化炉に入れるとピンクやゴールド、ブルーなどきれいな発色になります。私はなんとかそれをビジネスにできないかと思っていますが、色のコントロールができないので誰にも相手にされません。でも、そんな楽しい設備です。
(本当に楽しそうに話すなぁ。)

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